2021.02.05
チョコレート色に染まる
2月のこの時期はヴァレンタインデーを前にして
どこもチョコレート一色です。
チョコレートの茶色はどこかおいしそうな色。
色彩学的にも大地を連想させ
豊かさや安定をあらわす茶色(ブラウン)は
歴史的にもさまざまな変遷を経て
ひとびとに愛される色になったようです。
茶色(ブラウン)は先史時代から芸術に用いられていたといわれます。
茶色の衣服が下層階級の人たちと関連づけられた古代ローマ時代を経て
中世では謙虚さのあらわれとして、
フランシスコ会士たちにより茶色の服が着用されました。
15世紀後半、茶色は油絵に多用、
ルネサンス期には、4種類の茶色が芸術家に使用されたといわれています。
17世紀と18世紀には茶色が最も多く使われ、
カラヴァッジォやレンブラントは、
茶色をもちいて灰白色の効果を得ました。
19世紀には、ポール・ゴーギャンが
人と風景の明るい茶色の肖像画を描いています。
そして20世紀後半。
茶色はシンプルで自然、健康的というイメージを広く獲得したようです。
謙遜・無垢なイメージは初々しい花嫁の纏うドレスにも
嬉々とした花婿の装いにもふさわしい印象をあたえます。
招待状やクロスなどのさまざまなアイテムに用いれば
奥深く情感のある趣きが祝宴を彩ります。
いっそう寒さを感じるこの2月。
あたたかみのある落ち着いた茶色をとりいれて
おとなの雰囲気ただよう、豊かな結婚式を。